乗鞍山麓五色ヶ原について

ご挨拶

乗鞍山麓五色ヶ原の森のホームページにようこそ。
乗鞍山麓五色ヶ原の森は中部山岳国立公園乗鞍岳の北西山麓約3千haに広がる森林地帯で、自然保護と利用の両立を図るため、歩道や山小屋等の施設整備時における自然への配慮はもとより、入山規制や入山時におけるガイドの同伴、一日当たりの最大利用人数の制限、利用料金制などを高山市の条例で義務付けた、国内でも先駆けといえる本格的なネイチャートレイルエリアです。

指定管理者である「五色ヶ原の森案内人の会」では、乗鞍山麓五色ヶ原の森創設以来、現場でお客様や自然そのものと直接触れ合ってきた「森の案内人(認定ガイド)」としての経験を活かし、お客様はもちろんのこと、五色ヶ原の森の豊かな自然にとっても特別な場所であり続けられるよう努めてまいります。皆さまのお越しを心よりお待ちいたしております。

沿革

平成13年
五色ヶ原一帯の調査
平成16年
同年
利用開始
日本ナショナルトラスト保護指定
平成19年
第3回エコツーリズム大賞特別賞受賞
平成21年
「岐阜県の宝もの」認定
平成22年
指定管理者制度の導入
平成24年
第8回エコツーリズム大賞優秀賞受賞
平成25年
五色ヶ原の森植生調査の実施
平成27年
新ルート植生調査の実施
令和元年
新ルート「ゴスワラコース」開山
令和3年
第16回エコツーリズム大賞大賞受賞
五色ヶ原の森をご紹介

五色ヶ原の歴史

乗鞍岳は古来より信仰の山として里人に崇拝され、俗人は山へ登ることを禁じられていましたが、明治時代の初めころより登山道が開かれ、大正時代に信仰の山として栄えた頃は、岐阜県側には五色ヶ原の森一帯を中心に8カ所の登山道があったといわれています。
大正時代中頃より、現在の乗鞍スカイラインの原型となる登山道が整備され、その後、畳平まで自動車で通行ができるようになってからは、それまで使用されていた登山道を利用する人は減少し、その結果、五色ヶ原の森の豊かな自然環境が残されるという幸運につながりました。
五色ヶ原の森の開設にあたっては、自然を破壊して利用するのではなく、自然の循環の中で持続的な保護と利用の両立が図られる仕組みを目指し、横浜国立大学の宮脇昭名誉教授の指導のもと、「元手を食いつぶさず、利息で食いつなぐ」をコンセプトに、入念な植生調査やルート調査を行いました。また、整備にあたっては偽木やコンクリートなどを使用せず、現地の倒木や石により整備した歩道や、マイクロ水力発電で発電した電気を使用し、汚水はバイオマス浄化槽で処理し、一切外部に排出しないトイレを備えた山小屋など、自然環境への負荷を最小限に留める配慮を行っています。ぜひ現地にて御覧下さい。

ガイド付きツアーの意味

乗鞍山麓五色ヶ原の森は、平成16年の開設当時より、森の案内人(認定ガイド)の同伴や一日当たりの入山者数の制限を義務付けた有料のツアーを行うなど、国内における先進事例ともいえる取り組みを行っています。それにより、自然地域の過剰利用による自然破壊の防止や豊かな自然環境の保全、植生破壊の防止、来訪者の安全確保、さらには環境教育などを目的としています。
森の案内人により、五色ヶ原の森の自然に触れていただきながら、五色ヶ原の森の成り立ちや野生動物、植生、山と人との関わり、森のルールなどについて、来訪者とコミュニケーションを図りながらガイドを行っています。
さらに、危険な箇所での注意喚起や、来訪者の状態に合わせたペース配分のほか、簡単な応急処置なども身につけており、初心者の方はもちろんのこと、経験者の方であっても、今まで気づかなかった自然の面白さや不思議さ、魅力をお客様の目線で丁寧にご案内しています。
森の案内人と一緒に五色ヶ原の森を歩いていただき、豊かな自然や美しい景観のすばらしさや自然を守る意義などを、「見て」、「触れて」、「聞いて」、「嗅いで」、五感で体感してください。
ガイドの紹介ページリンク

五色ヶ原の三つの柱

【乗鞍山麓五色ヶ原の森の三つの特徴】
1.素晴らしい自然環境
乗鞍岳で繰り返された大規模な火山活動により流下した、年代の違う溶岩の上に広がる五色ヶ原の森は、それぞれの溶岩の個性、流れ方、風化の度合い、土壌の形成などの違いにより、それぞれの土地の持つ環境が多様です。
尾根一つ隔てることで夏緑広葉樹林から亜高山性針葉樹林へ変化するように、植生が目まぐるしく変化する様子が観察できるのも五色ヶ原の自然の特徴といます。
五色ヶ原の森の看板ともいえる印象的な滝や渓流、池なども大きな魅力です。

2.自然環境に配慮した施設
五色ヶ原の森の歩道は、重機を使用せず人の力で丁寧に整備されたもので、歩いている間に人工物に出合うことはほとんどありません。一方、コース途中にある山小屋では明かりがともり、水洗式の洋式トイレも利用いただけます。
五色ヶ原の森では、自然環境への最大限の配慮をコンセプトに、使用する電力は山小屋の付近を流れる河川を利用したマイクロ水力発電により発電し、また、トイレで排出される汚物は、微生物を使ったバイオマス浄化システムを採用しています。自然への最大限の配慮を図りつつ、お客様に快適な環境をご提供するため、森の案内人により徹底した維持管理が行われています。山小屋には温水洗浄機付き洋式トイレを採用しており多くのお客様から驚きと喜びの声をいただいております。

3.森の案内人(認定ガイド)
五色ヶ原の森案内人の会には、現在30余名の案内人が在籍しています。
森の案内人の役割は、ただの道案内ではなく、五色ヶ原の自然を熟知し、その面白さをどうにかして伝えたいとうずうずしているインタープリターの集団です。その土地の自然や歴史を深く理解し、それをわかりやすく「翻訳」してお客様に伝える存在として皆様をお待ちいたしております。
お客様が自分たちで歩くだけでは見落としてしまったかもしれない自然の面白さ、それを森の案内人が分かりやすく「翻訳」し、お客様には、ただ自然の中を散策しただけでは味わえない、最高の満足感を持ち帰っていただきたいと考えております。

飛騨山脈ジオパーク構想と五色ヶ原の森

ジオパークとは、科学的に貴重な、あるいは景観として美しい地形・地質などの「大地の遺産=ジオ」を保全するとともに、教育・研究・普及に活用し、さらにガイド付きツアー(ジオツアー)を通じて、大地に親しみ、その成り立ちや生態系、人々の生活を学ぶ公園(パーク)のことです。
乗鞍山麓五色ヶ原の森は、乗鞍岳の溶岩流の上に形成された豊かな森林地帯を、森の案内人のガイドにより歩くジオツアーの先駆的取り組みであり、ジオパークのモデル的エリアです。
現在、ジオパークの取り組みを通して、地域の人たちの願いである「愛する地域に住み続けたい・守りたい・伝えたい」という思いを形とし、「若者が地域に魅力を感じ、地域に誇りを持ち、地域に住み続けることができる、持続可能な地域づくり」の実現を目指し、飛騨山脈ジオパーク推進協議会が中心となって活動を行っています。詳しくはこちらをご覧ください。https://hidageo.com

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